食い初めはこの子が一生、食べ物に困らないようにという願いをこめて行われた儀式です。 「はしぞろえ」 「はし初め」 の祝いともいわれています。 誕生から百日目、あるいは百二十日目に、お子様のすこやかな成長を祝っておかなう「食べ初め」に用います。 赤ちゃんには、ただ食べさせるまねをするだけですが、その役目は、長寿にあやかるために近親者のなかでもっとも長寿の人に頼みます。 男児には男性に、女児には女性にお願いするのが本式です。赤ちゃんはこのとき、すわらせるか、母親が抱いてやります。 食い初めの料理は、昔のしきたりでは、本膳は一汁三菜といってご飯を山盛りにし、その上に小さく丸めたにぎり飯を二、三個のせました。汁の実は鯛か鯉、焼き物は金頭(ほうぼう科の魚)と決まっていました。 香物椀(飯椀の蓋部分)には小石を三つのせます。この小石は、歯が丈夫になるようにとのおまじないの為で、お宮詣りの時に氏神様の境内で頂いてこられるか、河原や海岸などの水辺の石をご使用ください。 一つのお祝いですから赤飯に尾頭つきの鯛などで形を整えるのもいいし、離乳食中心の献立で、本当のお食い初めをさせるのもよいものです。
祝い膳の食器は、箸は柳の白木、お膳やお茶碗は漆器。ふつう母方の実家から贈られるが、家紋を入れる場合は嫁ぎ先のものを入れるのが多い。
【塗りの違いについて】
◇越前塗 : 木製漆塗り
古墳時代に起源を持ち、日本有数の漆器産地である福井県で生産される漆器を指し、その形の美しさに加え、堅牢性・実用性を兼ね備えた特性から、儀式用品で最も多く使用されている塗り物です。
◇紀州塗 : 木製漆塗り
室町時代に起源を持ち、和歌山県海南市黒江地区を中心に生産される伝統ある漆器を指します。木製漆塗りでありながら、比較的お求めやすい商品です。
◇会津塗 : 木合漆塗り
福島県で生産される会津塗は、16世紀後半に会津藩により振興が図られ発展した伝統ある漆器です。
※ 漆は年月が経てば経つ程少しずつ堅く強くなります。